TOP>鋼殻のレギオスwiki>武芸者と剄
2.2.武芸者と剄武芸者は通常の人間と身体構造が異なり、腰の辺りに剄を大量に発生させる「剄脈」(けいみゃく)と呼ばれる内臓を持ち、そこから剄の通り道になる「剄路」(けいろ)と言う管が神経と並行するように全身に伸びている。剄は全ての人間が生きているだけで発するエネルギーだが、普通の人間が発する剄は非常に微弱で、生まれつき剄脈を持つ者のみが武芸者として戦うことができる。戦争や汚染獣の襲撃に対する戦力である武芸者の有無は都市にとって死活問題で、大抵の都市は剄脈を持つ子を誕生させ武芸者として教育することを推奨、援助し、優れた武芸者を優遇する。一方、汚染獣に対抗するほぼ唯一の力である剄は「汚染された大地で人間が生きるために授けられた天の恩寵」として神聖視されており、武芸者には強さのほかにも神聖な力を扱うに相応しい「品行方正さ」が求められる。以上のことから、武芸者には比較的裕福な者や、プライドが高く潔癖な者が多い。剄脈で発生した剄は剄路を通ることで肉体のあらゆる能力を強化する力へと変化し、体外へ放出されると破壊力を持った衝撃波へと転ずる。前者は「内力系活剄」(ないりきけいかっけい)、後者は「外力系衝剄」(がいりきけいしょうけい)と言う技術として体系化されており、様々な派生技術がある。このほか、気配を消す「殺剄」(さっけい)や、剄に特殊な変化を加える高等技術「化錬剄」(かれんけい)などの技術があり、武芸者はこれらの技術を駆使して戦う。武芸者の能力はかつてアイレイン・ガーフィートという男が持っていた能力の模造品である。アイレインは世界を破壊しようとするイグナシスの兵器に対抗するために自らの因子を降らせ、それを受け取った者たちが武芸者である。■ 念威操作剄脈を持つ人間の中でもさらに一部の人間は、剄脈が「念威」(ねんい)と呼ばれる通常の剄とは異なるエネルギーを発する。これは手を触れずに物体を操作し、その物体を介して遠方の物を見たり音を聞いたりすることができるもので、赤外線など電磁波も知覚できる。これらの能力を利用して広範囲に渡る情報の収集・伝達を行う技術を「念威操作」と呼ぶ。念威操作は、修得が困難と言う理由で一部の者しか使わない化錬剄と異なり、使用できるか否かは完全に先天的な適性に左右されるが、この適性を持つ者は逆に活剄や衝剄などの通常の剄技が使えない。この能力はかつてニリスという女性に存在していた能力であり、月よりもたらされたその能力の因子を受け取った者たちが念威操者である。念威の適性を持ち、念威操作を行う武芸者を特に「念威繰者」(ねんいそうしゃ)と呼び、念威での索敵や情報伝達などによりほかの武芸者をサポートする役割を担う。念威を使用する際には頭髪や眉毛、睫毛などの一部が燐光を発する特徴があり、この光の強さは念威の強さに比例する。通常の剄技は使えないため、身体能力は一般人とそれ程変わらないが、念威を用いた知覚と情報伝達の速度は通常の武芸者以上(注1)。また、念威の媒介となる物質(念威端子)を爆弾として扱う「念威爆雷」と言う技術も存在し、これが念威繰者の主な攻撃・防御の手段となる。念威繰者は膨大な情報を収集し処理するために脳が強靭にできており、一般人や通常の武芸者と比べ記憶力が優れている者が多く、念威繰者は生まれつき学力的天才児とされている。一方、膨大な情報の処理に伴う感情の動きを一々肉体に反応させていては情報処理のスピードが遅れると言う理由から、感情の動きに肉体が反応することをシャットアウトしてしまい、感情表現が苦手な者も少なくない。■ 錬金鋼(ダイト)多くの武芸者は「錬金鋼(ダイト)」と呼ばれる特殊合金を武器とする。錬金鋼には特定の大きさや形状、性質などを記憶し、同じく記憶した声と剄に反応して一瞬で記憶した通りの状態へと変化する「記憶復元」の特性が備わっており、これにより元の数倍以上の体積や様々な形状、性質に変化することができ、それに伴って重量も変化する。すなわち、掌に収まる程度の錬金鋼を、一瞬にして然るべき形と大きさ、重量を備えた武器に変化させることができる。声は勿論、剄も個々人で質が異なるため、錬金鋼は記憶させた声と剄の持ち主しか復元できず、錬金鋼を復元する際の音声信号には専ら「レストレーション」と言う語句が用いられる。そのため錬金鋼は使えば使うほどその持ち主しか使えなくなる(設定を消去すれば誰でも使える)。これらの、錬金鋼が記憶する情報は専用の機器で記憶、消去、調整することができ、この「武器としての錬金鋼の設定」の調整や、錬金鋼の開発、選定などを専門に行う技師もいる。錬金鋼は含有する物質の種類や比率などによって性質に変化が生じ、その違いで幾つかの種類に分けられる。錬金鋼の復元状態は技師によって調整されるが、ある程度は素材となる錬金鋼の性質に左右される。錬金鋼の種類と性能差は多岐に渡り、復元する武器や使用する武芸者に合った錬金鋼が用いられる。化錬剄を得意とする武芸者は剄に変化を起こし易い「紅玉錬金鋼(ルビーダイト)」、念威繰者は念威の媒体に適した「重晶錬金鋼(バーライトダイト)」、剣術を得意とする武芸者は刃物を復元するのに適した「鋼鉄錬金鋼(アイアンダイト)」など。このほか、頑丈だが重く剄の伝導率が低い「黒鋼錬金鋼(クロムダイト)」、剄の収束率という点で優れている「碧石錬金鋼(エメラルドダイト)」、剄の伝導率が高い「青石錬金鋼(サファイアダイト)」や「白金錬金鋼(プラチナダイト)」など様々な錬金鋼がある。1.文庫本4巻216ページより。
概要|
文庫本|
舞台背景|
自律型移動都市(レギオス)|
武芸者と剄|
汚染獣|
主な舞台|
そのほか、キーワード|
ストーリー構成|
登場人物|
レイフォンとリーリン|
学園都市ツェルニの人物|
槍殻都市グレンダンの人物|
グレンダン三王家|
孤児院関係者|
サリンバン教導傭兵団|
その他|
電子精霊たち|
その他の登場人物|
外伝|
メディアミックス|
ラジオドラマ|
ドラマCD|
漫画|
テレビアニメ|
既刊一覧|
外伝関連書籍|
メディアミックス関連書籍|
脚注|
関連項目|
外部リンク|
(C)